濱島 奈々子

№3315 おすすめの本④

大阪事務所の
濱島です。


旅行に行きたいけれど状況を見るとなかなか行っていいものか
決心もつかなくて暗澹たる日々を送っています。

図書館や大型本屋さんも再開して喜んでいたのですが、
また閉鎖されなことを祈るばかりです。

最近読んだ中でもっとも痛快だった本をご紹介します。
(シリーズ化できてちょっとうれしいです)1


藤野可織 「ピエタとトランジ」 講談社

この作品は数年前に刊行された「おはなしして子ちゃん」に掲載された短編の続編になります。

女子高生であるピエタのクラスにある日トランジという女の子が転校してきます。
トランジは天才的な頭脳の持ち主で、彼女の周りではその頭脳の代償であるかのように誰かは誰かを殺し、誰かは殺されていきます。

それはもう卒業するまでに学年の半数が殺し殺されたという驚きの事態です。

トランジの助手として一緒に事件解決にかかわるピエタ。

二人が大学生になり、年をとるまでの長い期間が断片的に描かれています。

女性が年をとるっていいじゃん、と思えた本でした。

年をとっても行ける場所はたくさんあって、できることもたくさんあって、若いころにはない魅力が増し自分の人生を自分で決断していける。
やるせないことがあっても誰かがいてくれるからやっていけるものなのかもしれません。

そういう女性を描いた作品はあまりないと思いました。

長編として刊行された本ですが、巻末に最初に書かれた短編が収録されています。そちらは最初に読んでも最後に読んでもどちらも違う味わいがあります。

全体的にあっさりとした雰囲気があるので、鬱屈とした今にはぴったりなのかもしれません。

№3289 おすすめの本③

こんにちは。
大阪事務所の濱島です。

新しい生活様式という新しい言葉をよく見かけるようになり、
変わってしまった日常にも次第に慣れ始めた今日この頃です。
先日、知人と話しているときに、
「当たり前が定着した頃合にその当たり前を根底から覆すような変化が
起きることはよくあり、変化が落ち着いた頃に文化は盛り上がる」
という言葉を聞きました。
きっと文化も経済も盛り上がるタイミングがくると思うので、
せめて今できるこの先の自分のためになるなにかを始めなければと考えています。

1今回もおすすめの本をご紹介します。
(シリーズ化していこうとひそかに目論んでいます)


フアン・ガブリエル・バスケス「物が落ちる音」松籟社

南米の作家の小説です。
世界文学の現在の中心地は日本でもアメリカでもなく、実は南米だったりします。
ノーベル文学賞に選出されている作家も南米出身の作家が多く、
隆盛の中心地ともいえる地域出身の作家です。
近代史とも現代史ともいえる出来事はあまり語られることがすくなく、
限られていますが語られないことには理由があり、
その理由について考えるきっかけにもなります。
やはり当たり前が崩された経験をもつ地域だから勢いがある作家が多いのかもしれません。

この作品は全体的にじっとりと重苦しく独特の湿度がまとわりつきます。
ジャングルにいるようなじめっとした湿気です。
それゆえに読みにくさはありますが、日本に生きていたら感じられない変革の情熱を感じることができます。
麻薬戦争と飛行機事故。
キーワードはこの二つであり、
はびこる暴力であり人生が強制的に変わっていかざるをえない人々がどう生きていくのかが描かれています。

小さな出版社から出されており、なかなか入手しにくい本ですが、
村上春樹がお好みの方にはおすすめです。

個人的に翻訳小説や海外ドラマを見ていると、人物が悪いことをしてもなかなか謝らず、
「仕方がないんだ」
というようなことを言ってやりすごしたり、
関係を修復したりすることがとても気になります。笑
ありがとうとごめんなさいは素直に言える人間でありたいですね。笑

№3265 おすすめの一冊②

こんにちは。

大阪事務所の濱島です。
気が付いたら連休も終わり、気温も着々と夏へ近づいていて
驚いています。

自宅で仕事をしているときはなるべく窓を開けて、
空の変化や明るさの具合で時間を把握するようにしていますが、
それにしても時間がたつのは早いですね…。

前回、本の紹介をさせていただいたので、
今回も引き続き本の紹介をします。

伊藤計劃『ハーモニー』(ハヤカワ文庫)

伊藤けいかくという作家さんの本です。
この作者さんはお若くしてすでに亡くなられているのですが、
根強い人気があります。
SFを基盤にした戦争への問いかけ、社会への問いかけは鋭く、出版されてから年数がたっても色あせず、私は読むたびに真正面から社会をみるだけではなく、視野を変えることで見えてくるものもあることにはっとします。
あらすじはネットにたくさんあるので記載しませんが、
問いかけられている幸福の定義ともいえるものについて、
今だからこそ考えさせるものがありました。

短い話ではないので、独特の表記やSFならではのカタカナの多さなど、読みにくい部分もありますが
70ページを超えてくるとぐっと加速してきます。

文庫の装丁もとてもきれいなので、読書の選択のひとつにいれていただけたらうれしいです。



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№3239 本

こんにちは。
大阪事務所の濱島です。

前回ブログを書いた頃と今では世の中が一変していて、不安もとまどいもありますが、せめて気持ちはポジティブに自分にできることをしていこうと思っています。

私はもともとインドア派のため、家にいるのが苦ではないタイプで、本を読んだりゲームをしたり海外ドラマを見たりしています。
特に本を読むことが好きなので最近読んだ本をご紹介します。

村田沙耶香『変半身』
島にある因習と奇祭にまつわるお話です。村田さんはねじれた世界を書くことがとても上手な作家なので、読者はそこに書かれた「あたりまえ』に呑まれていくにつれ、いつしか自分の周りにある「あたりまえ」を疑うようになっていきます。
あたりまえが何度も覆されていく様は爽快ですらあります。何が本当で何が本当ではないのか、試されているのは自分なのかもしれないと思う本です。

家にいる時間が増えた今、なかなか手が出せない本や積みっぱなしの本にふれてみるのもいいかもしれません。IMG_1738
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